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「武士の一分」を見たよ2

映画「武士の一分」について、もうちょっと考えてみました。
2日に渡って書くほどのことでもないのかなぁ。よくできた娯楽映画です、以上って、それで感想としてはいいのかも、とも思うのですが、ひとつだけ。

妻の描写にどうしても?が残ってしまうのです。
武士の妻として、ひたすら夫の世話をし、尽くす女性。それはそれで美しいのかも。
いつも男たちの決定に従い、指示を待っている女。そういう時代だからしょうがないよね。
それでも夫に対する愛情は一途でいっさい計算がない妻。うーん、うーん。

はっきり言って共感はできないよ。
原作も監督も男性だから、限界はあるとは思うのだけど、やっぱり男のドリーム(幻想)入ってないかい?
この映画では終盤、妻が夫の決定に逆らってひそかに行動する場面があります。まぁ、それも離縁されても夫に尽くしたい、という「美しい心」からした。と、いう解釈なのかもしれないけれど、私は彼女が夫の失明すら利用して自分の気持ちを貫いたという、したたかさがいいなぁ、と思った。

同じ山田監督の時代劇「たそがれ清兵衛」でも、ヒロインの宮沢りえが魅力的だなぁとは思ったけれど、やっぱりそのキャラクターが江戸の封建社会から出て、現代の私には迫ってはこない。映画の終わり、後日談として、清兵衛(真田広之)が戊辰戦争で死んだ後も、宮沢りえ(役名忘れました)が清兵衛と前妻の娘2人を育てあげ、嫁に出したというエピソードがさらっと語られるのですが、その物語の方が見たいなぁ、と思ったものです。

封建社会の身分制度や理不尽と戦うドラマは、男だけのものではないよ。
野暮を承知で、そんなことを言ってみたくもなりました。

あ、そうか「大奥」が面白いのは、良くも悪くも彼女たちが自分の意志で行動するからだね。
映画版は予告編を見るかぎり、美術にも凝っていて面白そう。きっと見に行ってしまうと思います。

by keikoda2000 | 2006-12-14 19:40 | 映画あれこれ  

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